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金剛寺を彩る花々~花植え奉仕~

四季折々の花
こんにちは、こころです!今日は富山に来ています。金剛寺境内には四季折々にいろんな花が咲いて、参拝する皆さんを楽しませていますが、その花、実は大勢の信徒さんが奉仕で植え替えているのだそうです。その花植え奉仕の中心となっているのが富山念法寺の皆さんだと聞いて、ここまでやってきました!
白銀に輝く立山連峰を望む富山念法寺
白銀に輝く立山連峰を望む富山念法寺
チューリップをご覧になる親先生
チューリップをご覧になる親先生
やあ、こころちゃん。富山へようこそ。富山念法寺の花植え奉仕は、昭和46年に始まって40年以上も続いているんですよ。そのきっかけは、テレビで「となみチューリップフェア(富山県砺波市で開催)」の様子をご覧になった開祖親先生が、「こんなきれいな花で本山が彩られたら、帰山された信徒さんが喜ばれるやろうなぁ」と、つぶやかれたことでした。このお言葉を聞いた富山出身の修道生・江守爽美さん(後の桶屋良法先生)が、「砺波のチューリップを本山に咲かせられないだろうか」と富山念法寺に相談すると、電話を受けた青年会長の桶屋泰助さん(後の桶屋良祐先生)が「郷土で育ったチューリップの球根を、ぜひ本山聖地に」と尽力し、その秋に植え込みが実現したのです。翌春に咲いたチューリップをご覧になった親先生は、「きれいやなぁ。このお手伝いをした人は、多くの人に喜んでもろうて徳を積んだことになる」と大変お喜びになりました。そのお言葉を励みに、富山念法寺の花植え奉仕は年々規模を拡大して現在に至っているのです。
いつも見ているチューリップに、そんなエピソードがあったとは知りませんでした!私としては、桶屋先生と奥様のエピソードも気になりますが……。
おやおや、こころちゃん。今日の本題は花植え奉仕ですよ。

愛情と祈りを込めて育てる富山の花々

花植え奉仕
現在、富山念法寺が行っている花植え奉仕は「3月のチューリップ」「5月のパンジー」「6月の夏花」「11月の葉牡丹」の年4回。日程は2日間ですが、初日は先発隊が土と花壇の準備を行い、2日目早朝に到着した本隊が一斉に植え込みをすることで、短時間で効率的に作業を行っています。
富山から早朝に本山に到着するということは、夜中にバスで移動しているんですよね。皆さん大変だなぁ……。
確かにそうですが、もっと大変なのは、本山に植えるための花を1年を通して種から育てている、ということなんです。
ええっ?花の苗を買ってくるんじゃないんですか?種から育てているなんて!
農園のような施設
驚いたでしょう。でも、本山聖地を極楽浄土のように花でいっぱいにして、多くの皆さんに喜んでもらうための花ですから、自分たちで愛情を込めて育てたいと思うのは、ごく自然なことなんです。たくさんの花を種から育てて咲かせるために、富山念法寺の敷地内には、さまざまな設備が常設されています。中でも、種植え作業をする温室ハウスは、二代燈主様のご指示で本山から移設されたものなんですよ。
なるほど。じっくりと愛情や祈りを込めて育てているからこそ、心から喜んでもらえる美しい花が咲くんですね。でも、これほど多くの花を育てるには、時間も手間も相当かかるんじゃないですか。
温室ハウスでの種植え作業
温室ハウスでの種植え作業
容器は洗って何度も使うのが念法流
容器は洗って何度も使うのが念法流
実は、その時間と手間が大事なんです。種植えや水やり、植え替えなど、1年中さまざまな作業があるので、より多くの信徒さんが花に関わることができます。本山の花植えに参加できる人数には限りがありますが、花を育てる過程で何倍もの人が関わることができ、徳を積ませてもらえるのですから、こんなにありがたいことはありません。「水やりだけでも」と、毎朝お寺に寄ってから出勤する信徒さんもいるんですよ。ところで、こころちゃん。本山に植えられたパンジーは暑さに強く長く咲き続けるのが特長なんですが、その理由がわかりますか?
うーん。愛情たっぷりに育てられたからかな?
花の摘み取り
花の摘み取り
ははは、そういう理由もあるかもしれませんが、実は本山のパンジーは三度目に咲いた花なんです。最初に咲いた花を摘み取り、二度目の花も摘んで、三度目の花を植えると、暑くても長く咲き続ける強い花になるのです。こういうノウハウは、長く花を育ててきた富山念法寺ならではのもので、花の開花時期を調整して、思い通りの時期に咲かせることもできるんですよ。
花植えのスペシャリスト集団
すごい!富山念法寺は花植えのスペシャリスト集団なんですね!それにしても、親先生のひと言から始まった花植えが、たくさんの信徒さんの長年にわたる奉仕の積み重ねで、ここまで大きく発展するとは驚きです。皆さんの親先生への強い思い、多くの人に喜んでもらいたいという願いがひしひしと伝わってきます。本山を彩る花々がきれいなのは、きっと育てた信徒さんたちの喜びの笑顔も一緒に咲いているからなんですね。

インタビュー

富山念法寺 金森さん

富山念法寺 金森さん
花の植え方を指導される二代目燈主(右)と桶屋先生
花の植え方を指導される二代目燈主(右)と桶屋先生

昭和47年の秋、桶屋先生の後を引き継ぎ、本山にチューリップの球根を植えました。ところが、いい花を咲かせたいと気負いすぎ、肥料をやりすぎて枯らしてしまったんです。翌年、今度こそはと帰山した時、親先生が直々に「しっかり足跡を残すように」とお言葉をくださったことが今でも忘れられません。その後、富山の担当の花壇も徐々に増え、夜中にバスで移動するようになりましたが、翌日も疲れを感じないばかりか、仕事がうまく行くなど、不思議なことが多々ありました。作業中に二代燈主様がヘルメット姿で出てこられ「花は通行する人から見えるように考えて植えるように」と、花の向きや高さをご指導くださったことも鮮明に覚えています。富山念法寺には、これまでに蓄積した花植えのノウハウがたくさんありますので、これを全支院と共有して、全国の念法寺を花でいっぱいにしたいですね。きっと親先生もお喜びになると思います。