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本当の「極楽家族」に

K・F(60歳 女性 埼玉県)

幸せな家庭とは程遠い生活

わが家は昭和56年7月に、主人の妹のつてで念法のご縁をいただきました。その当時の私は、主人に対する不満や、不仲な両親からの連日の電話で過敏になり、座布団で電話機を覆うなど、心沈む日々でした。念法で教えていただく「主人を大切に」「主人を立てる」という生活とは程遠い生活でした。

そんなある日の午後、背丈が私の腰ほどもない幼い長女が、遊びの手を止めて私の顔をのぞき込み「お母さん笑ってごらん」と言うのです。こんな小さな子どもの心までも傷付けていたのかと、その時の長女の仕草や顔の表情は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。このままではいけないと、著名な先生のお話を聞きに行ったり、いろいろな書籍の力を借りて奮起するものの、改善の手立てが見つからず悶々としている頃に、念法に出会ったのです。

胸のつかえが取れた念法の法座

ある日、班長さんの熱心な勧めもあって、法座に出席することになりました。法座では、「念法は、仏様が現れて因縁を切り替えてくださるところですよ」と教えていただき、私は強烈に心が引き付けられました。実はしぶしぶ出席した法座だったのですが、帰りには胸のつかえが取れ、心を弾ませて帰宅したのを覚えています。

それからは、都合のつく限り法座に参加しました。そして、お寺でいろいろなお話を聞かせていただくうちに、わが身に起こることは全て自分に原因があると気付き、一筋の光明が見えたようで嬉しくなりました。そう気付いてからは、相手を責める心が少しずつ薄らぎ、教えの実践がしやすくなったように思います。

本当の「極楽家族」だろうか

ある時、念法寺の住職先生に「あなたはご主人に、喜んで何かなさっていますか?」と質問され、私は返事に詰まってしまいました。主人は以前、病院の薬を大量に服用していましたが、今では嘘のように薬とは無縁になっていますし、2人の子どもたちもお友だちに恵まれ、楽しく学校生活を送っているので、幸せな家庭だと思い込んでいました。しかし、住職先生のお話を聞かせていただくと、果たして本当に仏様が望まれている「極楽家族」であっただろうかと思いました。そして、「欠陥の自覚」「改良の実践」「実践の継続」のご祈願を順を追って申し込み、仏様に後押しをお願いしました。

まずは優しい言葉、感謝の心で過ごすこと。主人の出勤時には「どうか今日も1日頑張ってください」と念じながら握手をして見送りました。「主人に喜んでもらえる食事を」と思うと、自然と心を込めて丁寧に作るようになりました。主人の好きな一品もテーブルに並べ、子どもたちの話題や、お寺でお聞きした話などで盛り上がり、にぎやかな家族の夕食になりました。

緑内障と診断されて

娘たちが嫁ぎ、夫婦2人の生活になって間もなくの時、私は人間ドックで緑内障との診断結果が出て、大ショックを受けました。すぐに眼科で診察を受けると、眼圧も高く、一縷(いちる)の望みも空しく、両眼とも緑内障と診断されました。点眼薬を処方され、足取りも重く帰宅しましたが、これから自分はどのように生活すべきかと、何も手につかない状態でした。

そんなある日の夕食時、テレビに北欧の美しい風景が映っているのを見て「こんなに美しいものも見えなくなる日が来るのかしら」と口走った私に、すかさず主人から「もし見えなくなったら、ぼくの目を片方あげるから心配するな」と、思いもしない言葉が返ってきました。主人の偽りのない心からの愛情を感じた私は、身動きできないほど感動し、言葉にならない喜びの涙があふれて、「お父さん、ありがとう」と言うのが精一杯でした。いつも家族を思ってくれている主人がそこにいました。

ご燈主様のお言葉に涙があふれて

心配してくださった住職先生からは、先祖供養、お灯明、ご祈願、お徳積みなどのご指導をいただき、実践を決意する前向きな気持ちにしていただきました。そして住職先生は「今年もご燈主様が、私たちの幸せを願って朝霞へお越しくださるのですから、真心いっぱいでお迎えさせていただきましょう」と話されました。

そして迎えたご親教の日。ご到着されたご燈主様にごあいさつさせていただくと、住職先生が「緑内障と診断が出ております」と取り次いでくださいました。私にはもったいないことでしたが、ご燈主様が「見えないの?」と聞いてくださり、私は「今は見えていますが、将来家族に世話をかけるのではと、とても心配です」と申し上げました。するとご燈主様は、私の眼に九字を切ってくださり、「仏様によく頼んでおくように」と優しくおっしゃいました。気が付いた時には涙があふれていた私は、すぐに主人に報告し、手を取り合って喜びました。

仏様に変えていただいた!

喜びあふれたご親教の余韻にひたりながら、片付けも一段落した頃でした。定期検査を受けると、視力が0.7から1.2に上がり、眼圧も安定して、視野検査でもびっくりするほど良い結果が出ました。お医者さんも「死にかけていた神経が生き返ったね!」と驚くほどで、これは間違いなく仏様に変えていただいたのだと直感しました。病院を出てすぐに住職先生にお電話で報告すると、「仏様ってすごいね、本当に良かったね」と喜んでくださいました。

この体験でいろいろな不安がすっかり吹き飛び、念法の仏様におすがりしていたら、どんな困難があっても何も心配することはない、必ずお救いくださるのだと確信しました。病気を機に、主人の心の奥深いところを知り、私の誠を尽くさなければと思うようになりました。そして、主人を立て、主人を中心とした生活の中で、家族の絆もゆるがないものとなりました。素晴らしい念法の教えに触れ、お寺でご指導いただくおかげで私の生き方が変わり、主人の心に添うことができる自分が今日ここにあることに感謝しています。