職場を変えた三美人の教え
S・Y(36歳 男性 和歌山県) |
昇進後に悪くなった職場の雰囲気
私は自動販売機の管理会社に勤めています。
職場には30人ほどの社員がいて、20代が多数を占めています。仕事は朝早くから夜遅くまでかかり、特に夏場は忙しく、6月から9月末までがピークです。
私は平成23年に昇進し、多くの部下を持つ立場になりました。昇進して1ヶ月ほど経った頃、みんなの表情が疲れていることに気付きました。悪口や陰口を言い合い、相手を否定するような言葉も聞かれ、揉め事も起きて、雰囲気は悪くなるばかりです。
笑い声や会話は聞かれなくなり、挨拶の声も次第に小さくなっていきました。仕事をしていても楽しくありません。入社した4月は明るく元気だった新入社員も、そんな職場の雰囲気に染まっていました。
イライラしていつも怒っていた私
今振り返ってみると、私自身も立場が変わったことで気負ったのか、気持ちにゆとりがなくなり、イライラしていたのだと思います。自覚はなかったのですが、口調がきつくなっていたのかもしれません。
どうしたら職場の雰囲気が良くなるだろうかと、私なりに考えて声をかけるのですが、気のない返事ばかり。
私は口には出しませんが、「話しかけたら返事ぐらいきちんとしたらどうか」などと思ってしまい、口調や態度に責める気持ちが滲んでいたのだと思います。
自動販売機に商品の補充が追いつかず、苦情が出ると、謝りに行くのが私の仕事でした。それでイライラし、職場ではいつも怒っていたのだと思います。
このような雰囲気では社員同士が仲良く協力することもなく、仕事もはかどりません。
「このままでは、みんな辞めてしまって、会社が潰れるのではないか」と思うほどでした。
「三美人の教え」を実践
そこで私は、念法で教わった「挨拶、笑顔、返事」の「三美人の教え」を実践しようと思い、翌日から早速、二代燈主様が教えてくださった通りにさせていただきました。
出社時はもちろん、外出先から戻った時や、帰社した部下を迎えた時など、相手が聞いてくれなくても、心をこめて元気よく実践しました。
部下のみんなは疲れた声で返事をするのが精一杯という感じで、腹の立つこともありましたが、「私の実践が正しくないのかもしれない」と反省し、教えてくださった通りにしているつもりでも、表情がそうでなかったり、パソコンを見ながらしていたことに気付き、改めていきました。
そして、初めは部下が挨拶や返事を返してくれないことや、返してくれても心がこもっていないことを不足に思っている自分を反省しました。
教えの実践には、受け取り方も大切だとわかったのです。
参拝やトイレ掃除で心をきれいに
休みの日にはお寺にお参りし、月2回の月例祭にも少なくとも1回は参拝するようになりました。
月例祭の護摩供では、それまでに溜まった心の垢を仏様が取り除き、魂を浄めてくださると教わっていますが、「その通りだ」と実感できるようになりました。
お寺に参拝しないでいると、気持ちが落ち着かず、些細なことでも不足に思ってしまい、心が濁っているのがわかります。
護摩供に出仕し、住職先生のお話を聞かせてもらうと、自分の至らなさに気付いたり、良いアイデアが浮かんだりします。
その一方で、職場ではトイレ掃除をさせてもらうようになりました。それまでは先輩がしてくれていましたが、「みんなに気持ちよく使ってもらえたらいいな」と思い、「させてください」と申し出たのです。
初めのうちは、汚れているのを見ると不足に思いましたが、今は、きれいにさせてもらえることがありがたいと心の底から思えます。
嬉しいことに、「私もやります」と後輩が申し出てきて、それからは一緒にするようになりました。
苦しい夏を明るく乗り越えられた
そうして日が経つにつれて、少しずつ社内での声が大きくなり、会話も増えていきました。
例年であれば、8月9月は疲れもピークで、社内はお通夜のような雰囲気なのですが、今年は逆に少しずつ明るくなってきたのです。
私は、三美人の教えの実践に取り組みつつ、「ご苦労さま」「今日は暑かったね」などと、一言かけるように心がけていました。
すると、社員の方から「今日はこういう出来事がありました」などと報告してくれるようになり、会話が弾んで、仕事もはかどるようになってきました。
そして夏が終わってみると、売上目標の達成率が関西の支店の中でもトップクラスになっていたのです。それまでは、どの数字を見ても悪かったのですから、驚きです。
この経験を活かし、これからはもっともっと教えの実践に努め、職場に限らず、家庭や地域社会にも極楽が広がるように、精進させていただきます。