念法修行僧の一日
こんにちは、こころです。今回の歳時記では、本山で修行されている青年僧のみなさんの1日を取材したいと思います。
いやぁなんだか緊張しますが、よろしくお願いします。念法眞教では、身のまわりに起こってくること全てが「修行」であると説きます。つまり、日常の中にこそ、「心の修行」があるということ。朝、目を覚ます瞬間から修行がはじまります。
4:45 起床〜朝勤行(あさごんぎょう)
朝は4時45分前に起床します。修行は早寝早起きが基本。とは言え、私も慣れるまでは、眠い目をこすりながら支度を整えていました。「おはようございます。本日もよろしくお願い致します。」と大きな声で挨拶をし、祈願本堂・拝殿で、読経(どきょう)などの勤行が始まります。 ところで皆さん、お経を唱えるってどんな意味があると思いますか?お経は、仏様に対してではなく自分自身に唱えるものだと教えられます。読経をすることで一日の誓いや反省を仏様の前で申し上げるのです。
私はまだ夢の中にいる時間です〜
6:20 掃除・お仏飯(ぶっぱん)
勤行後は、生活の場である寮やお風呂場の掃除、30体以上の仏様に食事をお供えする「お仏飯」など、各々担当に分かれて本山全体のお手入れをします。信仰の世界では、仏様は私たちと同じように生きている存在。だから、お仏飯、つまりお食事も1日3回かならずお供えします。
私の担当は、本山で飼っている犬のお世話。たくさんいるので餌をやったり、散歩させたりするのがなかなか大変だけど、みんな人なつっこくてかわいいんですよ。なんでも私が修行を始めるちょっと前までは、孔雀もお世話していたとか……
へぇーそんなことまで。それは意外ですね。
7:00 朝食
さて、朝食の時間です。本山では、基本的にお供養頂いたものを食事として頂きますので、ときには牛乳やヨーグルト、パンを頂くこともあるんですよ。今では、健康を配慮して、お供養の他にも栄養管理のいき届いた食事が支給されます。修行には、健康な体づくりが大切ですからね。
ほんとだ!ヨーグルトもついてますね。
8:00 朝礼
ここでは、その日一日の予定を確認したり、修行での体験談を発表したりします。そして、念法の教えのひとつである、「エチケット根本精神」を唱和します。その他に、一般常識として挨拶の練習などもするんですよ。
えっ?お寺でも挨拶の練習をするんですね。私も学校でビジネスマナーとして教わりました。
本山ではいろいろな方をお招きしたり、されたりしますから、日頃から失礼のないように勉強しておくんです。
エチケットの根本精神とは
「自分が人にしてもらいたいと思うことを、いつ、どこでも、だれにでも、あたたかい心で、すすんでさしていただく」しんせつな心であり、ほかの人のことを思う思いやりのある心である。
8:15〜16:20 作務(さむ)
朝礼が済んだら、各々の持ち場に分かれて、修行僧の仕事である「作務(さむ)」を行います。法要なども代表的なお勤めですが、それ以外にもいろいろなお勤めがあるんです。私は守衛を勤めさせて頂いています。炎天下でも雨の日でも、雪が降っていても、本山の門の前にじっと立って、人の出入りを管理しています。
また、作務(さむ)の他にも、月2回ほど「書道」や「雅楽」などの習い事をしています。
16:20 夕勤行/掃除
夕方にも、勤行を行い、そのあと皆で寮の掃除をします。掃除は、チリやホコリを落とすだけではなく、心を磨く修行でもあります。いつもと視点を変えて、普段気づかないような部分に目をやり、進んできれいにすることで、心も磨かれ、人の嫌がるようなことも「喜んでさせて頂く」という考え方ができるようになるのです。
17:15 夕食
皆さん、お食事をするとき、「いただきます」「ごちそうさま」を言っていますか?私たちは、食事で「感謝の心」を養います。自然の恵みや、作ってくれた方々へ感謝をし、「一粒の飯粒も一滴の醤油も無駄にしない」という教えから、お茶碗についたご飯粒や残り汁も、お茶できれいにして一切残さず頂きます。これは「念法たわし」といって、食事のときには必ず行います。
食器の汚れも少なくなって、洗うときの水や洗剤の量も少しで済みそう。地球にも優しいですね。
18:00 入浴
夕食を終えると、順番にお風呂に入ります。念法には「洗心 入浴の教え」というのがあり、天・地・人への恵みに感謝を表す作法にしたがい、お湯を頂きます。
20:00 点呼
一日の終わりは、その日の修行の反省をしたあと、宿直による点呼があります。修行にとって、月1回の外出を許された日以外、基本的に本山が生活の場となるのです。
21:00 就寝
長い一日が終り、やっと布団の中へ……むむっ、誰ですが?まだ起きておしゃべりしているのは?
インタビュー
入山されたきっかけってなんですか?
私は、精神修行のために入山を決心しました。
その他には、「信仰心で人々を幸せにしたい」という理由で入山された方もいますよ。それから、念法の特徴として、女性が多く入山されていますね。念法では、女性の目覚めで国を元気にしようというのが基本理念でもありますから、立ち居振る舞いや所作を美しく……つまり花嫁修業として入山される方もいらっしゃいます。