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教え実践でみんなが幸せに

M・H(52歳 女性 北海道)

このままだと倒産に

わが家は自営業で、社員の方々と家族的な商売をし、私は事務所を預かっていました。ある冬、主人の高齢の父が厳しい寒さのため寝込んでしまい、私は7ヶ月間、仕事を休んで看病し、その間は人を頼んで事務をしてもらいました。すると、いつしか主人の帰宅が遅くなり、聞くと「麻雀をしに行った」と言い、そのうちに今度は仕事に身が入らなくなっていきました。

そして8ヶ月目に私が会社に出てみると、主人は不在で行き先がわからず、帳簿を見ると赤字で、税理士さんに「このままだと倒産ですけど、もう一度頑張ってみます?」と言われる有様でした。あまりの変わりように、私は大きな衝撃を受け、加えて、夫の先妻の子どもとうまくいかずに悩んでいたことも重なり、八方ふさがりのような息苦しさを感じました。

念法に出会い、気付かされる

念法に出会ったのは、そんな時でした。仏様におすがりさせていただこうと決心し、商売を続けるために問屋を回って、支払いを待ってもらえるよう頭を下げて歩きましたが、主人は今ひとつ頑張る姿勢を見せてくれません。私は念法寺に通い、昔の真面目な主人に戻るように、仏様にお願いする日々でした。しかし、その頃、社内に悪い噂がたち始め、1人、2人と社員が去っていき、いよいよ資金繰りにも困って、眠れぬ日が続きました。

ある夜、私はふと思いました。それは、すべて私に原因があるのではないか、ということです。私は、主人と喧嘩をすると何日も口を聞かず、なにか言われてもろくに返事もせず、それどころか主人の父を悪く言い、心は不平不満だらけの状態でした。 きっと職場でも家でも、可愛くない顔をしていたと思います。

なかなかできない教えの実践

私がそんな状態では、いくら仏様に「昔の真面目な主人に戻るように」とお願いさせていただいても、難しいに違いないと思い、翌日から「自分の性格が優しくなるように」と仏様に後押しをお願いし、主人に笑顔で接するように努力しました。ご親教でご燈主様に教えていただいた「ローソクの教え」「コーヒーの教え」を思い起こしてかみしめ、幸せな運命に切り替えていくには教えの実践しかないんだと、挨拶と握手を実践しようと決心しました。

ところが、いざと思って主人を見ると、仕事の段取りを考えているのか、とても厳しい表情をしていて、それを見たら、声も出ません。それから数日間、毎朝「今日こそは!」と思いながらも、実践できない日々が続いたのです。

大きくてあたたかな主人の手

いろいろ考えた私は、「そうだ、朝起きたらすぐにさせてもらったらいい」と思い、翌朝、起き抜けにすぐ主人に挨拶と握手をしました。主人はビックリしたようで、すぐに手を引っ込めてしまったのですが、目は笑っていました。ほんの一瞬触れただけでしたが、主人の手は大きくてあたたかでした。その日は1日中、本当に久しぶりに爽やかな気持ちで過ごすことができました。そして、ありがたいことに、その日から毎朝、挨拶と握手を実践させてもらえるようになったのです。

家でできなかった時は職場でさせてもらうのですが、それを見て社員の方々が笑うのです。しかし次第に、日々の生活で悩んでいた社員の相談に乗って、話を聞かせてもらうようになり、念法に導くこともできました。

家庭も会社もすべてが順調に

私が教えを実践し続けていくと、主人も昔の真面目な主人に自然と戻って、仕事も熱心にしてくれるようになりました。会社の経営も少しずつ上向き、同業他社がどんどん廃業する中、いろいろなところから仕事を任せてもらっています。そんな中、主人が年齢も考えて、そろそろ次の人に会社を任せようと決意し、辞める話をしたところ、「Mさん(主人)でなければ会社がうまくいかない。どうか少しでも長く会社にいてください」と社員に説得されたのです。ありがたいことに、主人は今も忙しく毎日を送らせていただいています。

教えを実践することで、私も主人も、まわりの方々をも幸せにしていただき、念法の教えの素晴らしさを身をもってわからせていただきました。このご恩返しのためにも、教えの実践に一層精進させていただきます。