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「整理整頓」で心が変わる

Y・O(56歳 女性 大分県)

物があふれていた主人の実家

私の主人は、ICチップなどの電子部品を製造する会社に勤めていましたが、昨年3月に早期退職しました。当初は、1年間ゆっくり過ごしてから仕事を探そうと考えていましたが、中高年の転職経験者の方から「少しずつ探しておいた方がいい」と言われ、5月には製造会社に履歴書を出していました。

話は変わりますが、主人と私は毎週土曜日に、片道1時間かけて主人の実家に帰り、主人の両親が続けていた田んぼや椎茸づくりをしています。両親はすでに亡くなり空き家になっていますが、築100年ほどの家は、天井や床などの傷みが激しく、雨漏りもしています。しかし主人は「親が残した家を守っていきたい」と考えています。家や倉庫には物があふれていて、片付けの必要性を感じていましたが、畑仕事を終えると疲れてしまい、片付ける気にもなれません。

何ひとつ手を付けられないまま、時間だけが経っていました。

主人と一念発起して「整理整頓」を

そんなある日、念法寺の住職先生が「整理整頓」の大切さを強調しておられたので、この機会にと、主人と一念発起しました。まず、修繕の必要があった天井と床の一部を張り替え、古着や生活用品などは、使える物と処分する物に分けました。農機具などをしまっている倉庫は、要らなくなった食器棚などを再利用し、農具を仕分けして保管することにしました。使う物だけを残し、それ以外の物には「ありがとうございました」と感謝し、念法のご眞言を称えた上で処分しました。すっきりと整理したことで、何がどこに置いてあるかも一目でわかり、家の中が広くなって、心も体も癒やされるようです。

物の整理をしているうちに、自分が無駄な買い物をしていたことにも気付きました。便利だと思って衝動買いをしても、結局使わず、物が増えるばかりだったのです。それに気付いてから、本当に必要かよく考えてから買うようになり、無駄な買い物が減った分を、仏様へお供養させていただいています。わずかな額ですが、積み重ねれば大きな徳になると思い、真心を込めて続けています。

すんなり決まった主人の再就職

「整理整頓」を実践したおかげか、7月に入ると、主人が履歴書を提出していた会社から採用の連絡が入りました。会社の方は「8月から出社してください」とおっしゃったのですが、田んぼが忙しい時期なので、主人が断ろうとすると、「落ち着くまで待ちます」とおっしゃって、稲刈りが終わったあとの10月から勤めることになったのです。

50代での転職は難しいと聞いており、本来ならば主人も、田んぼのことにこだわらず飛びつくべきだったのでしょうが、断ったにも関わらず待っていただけるとは、なんてありがたいことでしょう。それだけ、主人の経験や能力を買ってくださったのだと思いますし、そんな素晴らしい人と結婚できたことを、仏様に感謝しています。

仏様が主人を変えてくださった

主人の仕事は忙しく、毎日残業があります。世間では「サービス残業」も珍しくないようですが、この会社はきちんと残業手当が出ます。また、2ヶ月目には、事業拡大のため本社へ出張に行かせていただくなど、すべてがありがたい環境にあると思います。

主人は念法の信心をしていませんが、私がお寺の行事やお手伝いに行くことを認めてくれています。今年のお正月には、お寺に参拝してくれて、家族揃って仏様に新年のご挨拶ができたので、とても嬉しく思いました。

これまでは、誘っても何かと理由をつけて断られていたのですが、すんなりと一緒に来てくれたので、不思議です。そして最近は、お寺の禊(みそぎ)奉仕にも参加してくれるようになり、少しずつですが、念法に理解を示してくれるようになりました。

教えを実践させていただいて私が変わったので、仏様が主人を変えてくださったのだと思います。このご恩に報いられるよう、これからも教え実践に努めていきます。