感謝の心で教え実践
Y・S(20歳 女性 兵庫県) |
「思いやり」を大切にする職場に就職
私は、この春に専門学校を卒業し、美容院で働くようになって1ヶ月が経ちます。
就職がなかなか決まらず困っていた時に、たまたま見学に行ったところが今の職場です。
職場の雰囲気や人間関係に注目して見学したのですが、お店のコンセプトは「思いやり」でした。
私はそこにとても惹かれ、このお店で働きたいと思いました。そして、無事就職することができたのです。
店には同じ年齢の同期が2人いますが、私だけ1ヶ月遅れの入社となりました。
言われた通りにできない私
仕事の手始めは掃除です。タオルたたみ、鏡や床拭きなど、一つひとつ先輩から教わりましたが、単純な作業のはずなのに、私はその通りにできません。
私が鏡を拭いたあとに先輩がチェックすると「ちゃんと拭いた?」と聞かれ、掃除機をかけたあとには「髪の毛がたくさん落ちている」などと、きつく言われました。
私は「すみません」としか言えず、何度も言われるうちに心の中で舌打ちをしてしまっていました。そんな自分が嫌になりましたが、言われた通りにできない現実を受け入れられずにいました。
辛い時に助けてくれた家族
そんな中で、何よりも嫌だったのが、同期の2人に後れを取っていることでした。
「同じ歳でたった1ヶ月の違いなのに、どうして私はできないんだろう」と悔しい思いをし、「もう美容師になんかなりたくない、辞めたい」と思いつめて、泣きながら帰ったこともあります。
店の営業が終わると、個人レッスンです。ひたすらシャンプー、ドライ、マッサージを繰り返し、終電で帰る日が続きました。
そうして日付が変わる頃に帰宅しても、祖母や母、姉が帰りを待っていてくれたことが、とても嬉しく感じました。
みんなは元気のない私を心配して、食事を温め直して出してくれたり、「今日はどうだった?」と聞いてくれたりしました。
そんな時、先輩に言われたことや辛かったことなどを聞いてもらうと、気持ちが落ち着いたものでした。
教えを実践していないことに気付く
そんなある日、祖母と母が口を揃えて「ありがとう、と言っている?」と聞いてきたので、私はハッとしました。
念法のお寺で聞かせてもらっている教えを、全然実践していないことに気付いたのです。
そこで、仏様にしっかりお願いさせてもらおうと思い、翌日にお寺でご祈願を申し込み、この日から胸に念法バッジを付けて仕事に行くようになりました。
すると、不思議と念法のご眞言を称えている自分がいました。
明るく、笑顔であいさつができるようになり、注意されたり厳しいことを言われても、「はい、ありがとうございます」と言えるようになったのです。
しばらくすると、先輩が「さっきは言い過ぎてごめんな」と言ってくれるようになりました。
念法バッジのありがたさを実感
ある日、念法バッジを付けずに出勤したことがありました。
「まあ、大丈夫だろう」と思っていたのですが、付けている日とは違って、体が別人のように動かないのです。
何の役にも立たないというか、ご眞言を称えることもできず、笑顔になることさえできないのです。
この時は、つくづく念法バッジのありがたさ、仏様の素晴らしさを、改めて肌で感じることができました。
それからは必ず念法バッジを胸に付け、いつも仏様と一緒という安心をいただいています。仏様のお働きと家族のおかげで、なんとか今の自分があるんだなと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
「ありがとう」と素直に言える自分に
私は、5月末に行われた「教え実践祈願護摩供」で司会を務めさせていただきました。
その時に、仏様へのお礼の気持ちを込めて、私が体験したことを参拝者の皆さんに聞いていただきました。
すると、不思議なことに翌日から、「ありがとう」という言葉がさらに自然に出るようになったのです。
また、先日久しぶりに専門学校の友人に会った時には、「なんか成長したね、大人になったね」と嬉しい言葉をかけてもらいました。
これからも、もっといろんなことを体験させていただくと思いますが、いつもご眞言を称え、言葉遣いにも気を付けながら、「ありがとう」と素直に言える自分でいたいと思います。
そして、職場でも、世の中の多くの人の幸せを祈りながら、1日1日を大事に頑張ります。