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事故を転機に替わった運命

N・K(37歳 男性 徳島県)

母の勧めで久しぶりに参拝

私は幼い頃から母に連れられて、よく念法寺にお参りしていました。しかし、思春期になると、周囲の影響から宗教に対して抵抗を感じるようになり、次第にお参りしなくなりました。

それから10数年たった今、私は運送業の仕事に就いて約10年になります。結婚し、2人の子どもを授かり、家族を養うために一生懸命働いてきました。

しかし、30代になると体力は落ちてきます。そんな自分の変化に気付くことなく、早朝から深夜までハンドルを握っていたため、心も体も余裕がなくなり、言動が雑になっていたようです。

そんな私を見た母が、「一度、念法寺の先生に相談してみてはどうか」と勧めてくれました。

私は子どもの頃を思い出して、参拝したくなりました。そして、お寺で教わった「三美人の教え」を以前ほど実践していないような気がしました。

久しぶりに参拝すると、住職先生は親身になって私の近況を聞いてくださいました。仕事がハードなので会社を辞めたいと思っていることを打ち明けると、「ご本尊様に『どうか私の進む道が開けますように』とお願いし、これからはお寺にお参りするように」とお諭しくださいました。

私は先生のお言葉を素直に受け入れて、自分から参拝させていただくようになりました。

仏様が大難を小難に

今年の5月のことです。

仕事を終え、家に向かってハンドルを握っていた私は、バイクと接触してしまいました。

現場は国道の長い直線道路で、事故を起こすようなところではありません。気のゆるみから、バイクを見落としたのです。

その瞬間、相手の方とその家族、そして私の家族の人生が台無しになってしまったと、絶望的な気持ちになりました。

車を降りて駆け寄ると、命に別状はないようでしたが、急いで救急車を呼び、病院で診ていただきました。その間、私はひたすら念法のご眞言を称えて、その方の無事を祈りました。

幸いなことに、相手の方の倒れた方向が良かったのか、ケガは軽傷でした。

しかし、もし倒れる方向が私の車の前だったら、大ケガになっていたはずです。

私は、「仏様が大難を小難にしてくださったのだ」と思い、仏様に感謝しました。

事故を転機に悩みが解決

翌朝、念法寺に参拝して事故のことを報告し、ご祈願を申し込みました。

すると、相手の方は間もなく全快され、事後の対応もスムーズに進みました。私の行政処分も軽く、すぐに仕事に復帰することができました。

そして、すぐに上司に退職の意思を伝えました。それまで、退職願を出しては説得され、引き下がることの繰り返しでしたが、今回ばかりは私の意思が固いことを知って、上司も納得の上で退職することができたのです。

その後、就職活動に専念し、9月には新しい就職先が決まって、翌年1月から働くことになりました。しかし、新しい仕事が始まるまでの間、収入はありません。「来年までどうしようか・・・」と思案していたところ、なんとその日のうちに、年末までのアルバイトの話をいただいたのです。

仕事のことであれほど苦しんでいたのに、一気に悩みが解決したのは、仏様のおはからいとしか考えられません。

この事故が、自分の力ではどうにもできないことに気付かせてくれて、大きな転機となったのです。

幸せの種をまいてくれた両親に感謝

今回の出来事で気付いたことがあります。

それは、困ったことが出てきてから仏様におすがりするのではなく、日頃からお寺にお参りし、仏様の教えに沿った生活をすることの大切さです。

そうしていると、たとえ困難にぶつかっても、仏様は常に自分にとって一番良い道を示してくださるのです。

私は社会に出るまで、順調な人生を当たり前だと思っていました。しかし、社会に出て世間の厳しさを知り、2人の子どもの父親になって初めて、両親の気持ちもわかりました。

父の大きな庇護(ひご)と、母が長年お寺で私の幸せを祈願してくれていたからこそ、今の私があるのです。

自分のことは我慢して、すべてを子どもに捧げる無償の愛に気付き、「こんな想いで私を育ててくれたんだ」と、言葉にできないほどの感謝の気持ちが込み上げました。

仏様に大難を小難にしていただき、それを転機に新しい仕事が決まり、運命を切り替えていただけたのは、今まで幸せの種まきをしてくれた両親のおかげです。

これからも、両親を見習い、家族はもちろん、大勢の人の幸せを祈り続けていきたいと思います。